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最高裁判所第一小法廷 昭和30年(オ)453号 判決 1955年12月01日

主文

原判決を破棄する。

被上告人らの請求を棄却する。

訴訟の総費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人福島喜一の上告理由は別紙のとおりである。

職権をもつて調査するに、被上告人らは公職選挙法二一〇条(昭和二九年法律二〇七号による削除前)により本訴を提起し上告人の町長当選無効の判決を求めるのであるが、上告人は町長退職の申出をし、成規の手続を経て昭和三〇年一〇月一日附で退職したので、被上告人らの本訴請求はその法律上の利益を失うに至つたものというベく棄却を免れない。それゆえ、本案につき判断をした原判決は結局失当に帰することとなつたのでこれを破棄し、民訴四〇八条一号、九六条、九〇条に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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